どこまで円安が続くか?量的緩和をする限りは円安トレンド

どこまで円安が続くか?量的緩和をする限りは円安トレンド

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円安になるたった1つの理由は量的緩和

2014年9~10月にかけて円安が進んだ理由は、日本円を10兆円単位で増刷しているためです。日本円の需要が少ないにも関わらず、今回のように供給量だけが多くなると、日本円の価値は下がります。

つまり、シンプルに需要と供給が影響しているわけです。この仕組みを通貨の量で価値を緩和することから「量的緩和」と呼んでいます。2014年であれば、量的緩和は円安、低金利、株高、物価高を生み出します。

日銀が量的緩和を実施すると、何もない状態からお金を大量に生産して、そのお金で銀行などの金融機関が持つ国債を大量に購入します。

日銀が国債を買い取ってくれたおかげで、金融機関は国債でロックされていた資金が自由になりました。今度は金融機関がその資金で少しでもお金を稼ごうと、企業や個人にも積極的に融資を行います。

その際はなるべく金利を下げて、借りてもらえるようにします。つまり、量的緩和の影響力が続く間は、基本的には金利は低い状態が続きます。

お金を貸してもらった企業は設備投資や賃金上昇ができますし、個人も住宅ローンを組んで、積極的にお金を使うようになります。

しかし、何十兆円のお金をすべて借りてくれるわけではありません。余ったお金は投資にも流れます。それを予測して、量的緩和が発表された2014年10月31日は日経平均が4.83%も値を上げました。

また、日本円が大量に市場に供給されると、賃金アップやローン契約などがしやすくなり、基本的にはお金が手に入りやすいです。お金が手に入った人たちは物を買うようになり、結果的に物価高を誘発しやすくなります。

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量的緩和に潜む3つのデメリット

量的緩和をすることで実際に2014年10月31日には円安、低金利、株高が起こりました。物価高は統計を取るまでにタイムラグが発生しますので未確定ですが、恐らく物価上昇率は0.5%を超えてくると予想されています。

一方、物価上昇率の0.5%は小幅と感じる人もいますし、そもそも物価上昇率の目標が2%です。ただし、日本は20年以上もデフレに苦しみ、物価上昇率は例年マイナス値でした。2011年であれば-0.3%です。それらと比較すると、プラスに転じている状態だけでも評価できるでしょう。

しかしながら、量的緩和にある円安、低金利、株高、物価高という4つのメリットの裏側には、3つのデメリットが潜んでいます。

まずは円安です。円安でも日本の輸出企業の業績が、市場予想に反してそこまで改善しなかったことはショックでしたが、それよりも深刻な事態は輸入品の価格が急騰してしまったことです。

特に日本は原発が停止しているため、エネルギー不足が続いていますが、今回の円安で燃料費が高騰して、電気代も値上げされました。それがすべての業種に悪影響を及ぼしています。もちろん、輸入品はエネルギーだけではなく、食料品から家畜の飼料まで価格が上がっている状態です。

次に株高も問題と言えます。株高にしている原因は日本企業の業績回復よりも、金余りによる投機マネーの流入です。

つまり、実体を伴わない株価の上昇は小さなバブルであり、それが積み重なるといつかは弾けて、急落する可能性があります。しかも、これは株式市場だけではなく、不動産市場や商品先物でも起こっている事態です。

最後に物価高も裏を返せば、問題になり得ます。デフレにより「物が売れない、商品価格を下げる、売上が下がる、給料も下がる、物が売れない」というスパイラルが続いていましたが、インフレでは「物が売れる、商品価格が上がる、売上が上がる、給料も上がる、物が売れる」が期待できます。

しかし、インフレが進み過ぎると「商品価格が上がる、売上は増えない、給料は増えない、物が売れない、商品価格は上がる」という悪いインフレが発生して、極端に生活が苦しくなっていきます。

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量的緩和と米ドル高で日本円が安くなる

量的緩和にはメリットとデメリットがあることがわかりましたが、メリットとデメリットともに、円安、株高、物価高という方向性は同じです。

FXをトレードする側の心理としては「量的緩和による円安には良い面と悪い面がある。ただ、いずれにしても量的緩和が続く限り、高確率で円安になることには変わらない」という状態です。

それと同時に、円安になる原因は量的緩和だけではないことも覚えておきたいです。基本的に通貨が安くなる理由は、その国の経済力が弱くなっていることに起因します。人気がない通貨は買われずに価格が下がるわけです。

例えば、日本の輸出額が多ければ、外貨を稼ぐことができます。手に入れた外貨を日本で使うために、外貨と日本円を交換します。つまり、外貨を売って日本円を買います。こうして日本円が高くなっていくわけです。

一方、輸入額が多ければ、日本は日本円を外貨に変えて、支払うことになります。これは日本円を売って、外貨を買う行為ですので、相対的に日本円は安くなっていきます。

日本は2011年から貿易収支が赤字が続いていますので、輸出額よりも輸入額が多い状態です。これは円安トレンドを強める原因になっています。

また、米国は2015年も好景気が続くとされていますので、米ドルは上昇するでしょう。そのため、相対的に日本円は安くなり、2015年には「1ドル=120円台」が一般的な予想値になっています。

さらに2021年に「1ドル=150~180円」の円安になる2つの理由でも言及しましたが、長期的にはさらに円安が進み、少なくともリーマンショック後のような「1ドル=75円」などにはならないとされています。

2014年11月時点の経済指標の推移

通貨ペア 本日 1カ月前 1年前
アメリカ合衆国日本 113.58円 108.88円 99.06円
EU日本 142.50円 137.43円 132.39円
オーストラリア日本 99.23円 95.13円 92.95円

2014年11月4日時点の為替レートです。前月比では米ドル/円が4.70円安、ユーロ/円が5.07円安、豪ドル/円が4.10円安でした。

米ドルは2カ月連続で4円以上も安くなりました。米国の景気回復と日本の量的緩和といった2つの大きな流れにより、ドル高円安が加速しています。来月初旬の米ドル/円は「119.00~120.00円」と予測しています。

日付 日経平均
2014年11月4日 16,862.47円
2014年10月28日 15,329.91円
2014年10月21日 14,804.28円
2014年10月14日 14,936.51円
2014年10月7日 15,783.83円

2014年10月7日~2014年11月4日の日経平均の週足です。4週間で約+1,078円となりました。瞬間最高値は2014年11月4日の16,862.47円、瞬間最安値は2014年10月17日の14,532.51円です。

先日、実施した日銀による量的緩和で円安が進み、輸出業を中心に株価が上がっています。米国の株式市場が過去最高値を更新していることも好材料です。来月初旬の日経平均は「15,700~16,200円」と予測しています。

国債名 本日 1年前
日本国債10年 0.440% 0.590%
米国債10年 2.339% 2.626%

2014年11月4日時点の長期国債利回りです。前年比では日本国債10年利回りは-0.150%、米国債10年利回りは-0.287%でした。来月初旬の日本国債10年利回りは「0.420~0.470%」と予測しています。

2014年11月時点の経済指標カレンダー

2014年11月にある重要な経済指標のカレンダーです。特に4日にあるオーストラリアの政策金利、7日にあるアメリカの10月失業率、25日にあるアメリカの7~9月期実質GDP改定値などでは、為替レートが大きく動きます。

発表時間国名経済指標影響
3日 24:00アメリカ合衆国10月 ISM製造業景況指数B評価
4日 12:30オーストラリア政策金利A評価
5日 11:30日本黒田日銀総裁会見B評価
5日 22:15アメリカ合衆国10月 ADP雇用統計(前月比)A評価
5日 24:00アメリカ合衆国10月 ISM非製造業景況指数(総合)B評価
6日 21:00イギリス政策金利A評価
6日 21:00イギリス英中銀資産買取プログラム規模C評価
6日 21:45EU政策金利A評価
6日 22:30EUドラギECB総裁会見B評価
7日 22:30カナダ10月 新規雇用者数C評価
7日 22:30カナダ10月 失業率C評価
7日 22:30アメリカ合衆国10月 非農業部門雇用者数(前月比)A評価
7日 22:30アメリカ合衆国10月 失業率A評価
8日 00:15アメリカ合衆国イエレンFRB議長会見B評価
14日 16:00ドイツ7~9月期 GDP 速報値(前期比、前年同期比)B評価
14日 19:00EU10月 消費者物価指数 改定値(前年同月比)C評価
14日 19:00EU7~9月期 GDP 速報値(前期比、前年同期比)B評価
14日 22:30アメリカ合衆国10月 小売売上高(前月比)A評価
17日 08:50日本7~9月期 実質GDP 速報値(前期比、年率換算)B評価
19日 -日本日銀金融政策決定会合B評価
19日 18:30イギリス英中銀金融政策委員会議事要旨C評価
20日 -南アフリカ共和国政策金利A評価
20日 04:00アメリカ合衆国米連邦公開市場委員会議事要旨B評価
20日 21:30アメリカ合衆国10月 消費者物価指数(前月比、前年同月比)A評価
25日 08:50日本日銀金融政策決定会合議事要旨B評価
25日 16:00ドイツ7~9月期 GDP 改定値(前期比、前年同期比)B評価
25日 22:30アメリカ合衆国7~9月期 実質GDP 改定値(前期比年率)A評価
26日 18:30イギリス7~9月期 GDP 改定値(前期比、前年同期比)B評価
26日 22:30アメリカ合衆国10月 個人消費支出(前月比)A評価
26日 24:00アメリカ合衆国10月 新築住宅販売件数(前月比、年率換算件数)A評価
28日 08:30日本10月 消費者物価指数(前年同月比)B評価
28日 19:00EU11月 消費者物価指数 速報値(前年同月比)C評価
29日 21:30カナダ7~9月期 GDP(前期比年率)B評価
29日 21:30カナダ9月 月次GDP(前期比年率)B評価

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公開日公開日 2014.11.04
更新日更新日 2016.02.04
執筆者Kirito Nakano

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