スリッページ - 注文と約定の途中で為替レートがすべること

中野貴利人
監修中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表取締役

注文した価格と約定した価格に生じるずれ

注文した価格と約定した価格に生じるずれ

スリッページは本来「slippage(ずれ)」という意味があり、金融業界では「価格差」という訳が適しています。

これは注文した価格と約定した価格がずれてしまい、不利な為替レートで購入してしまう現象です。私たちにとってはデメリットになりやすく、スリッページが起こりにくいFX会社を選ぶことが大切です。

例えば、FXの取引画面でレートとチャートを見ながら「1ドル=95.555円だから今、買おう!」と即時にワンクリックで注文したところ、クリックした瞬間は確かに「1ドル=95.555円」だったにも関わらず、実際に約定して買ったレートは「1ドル=95.565円」だったりすることがあります。

これが注文したレートと約定したレートに差が発生する「スリッページ」と呼ばれる現象です。ブログや専門誌などで目にする「レートが0.3銭もすべった!」とはスリッページの発生を指します。

指値注文では私たちが指定した価格でしか売買が成立しないので、スリッページは起きません。スリッページが起こる注文は成行注文のみです。その成行注文が約定するフローは下記のようになっています。

  1. インターバンク(銀行間市場)の為替レートがFX会社に届きます。
  2. FX会社が私たちのパソコンに最新レートを配信します。
  3. 私たちはそのレートを見て成行注文を出します。
  4. FX会社が発注時のレートと注文時のレートを比較します。
  5. 比較して誤差が少なければ約定します。

通常はインターバンクのレート、FX会社のレート、ユーザーのレートに差分がありません。しかし、インターバンクからFX会社を経て、ユーザーの画面にレートが表示され、再度FX会社を経由して、インターバンクに戻っていくまでにタイムラグが発生しますので、為替レートにも差が出ます。

スリッページの発生原因

この誤差が大きすぎると損失を被りかねませんし、本来、誤差などは100%発生しないことがトレードの条件です。

しかしながら、私たちがFXに利用するパソコンやスマホでは、FX会社や証券会社のような強靭なシステムを構築することは難しいですし、どうしてもタイムラグは発生してしまいます。

そこで実際の取引では、ユーザーが自分で「スリッページの範囲が0.02銭までなら約定を許可する」といったスリッページの設定ができます。

すべらないFX会社でスリッページ解消

スリッページで価格がすべっても「思ったより安く買えて良かった」と有利な価格差が発生して、逆に得をする場合もあります。それでも常に自分が意図した価格で買えることが望ましいでしょう。

例えば、2013年6月時点のサイバーエージェントFXの統計情報をみると、全約定の93.9%はスリッページ発生なしでした。2.95%は有利な約定、3.36%は不利な約定となっています。

サイバーエージェントの場合、リアルタイム注文の約定スピードが0.1秒以下であり、長くても0.2秒ですので、スリッページは0.01~0.10銭、最大でも1.0銭程度に収まります。

それでも米雇用統計のようにインパクトが大きい経済指標が発表される時間帯は、価格変動が大きくなってしまい、一時的にスリッページが発生しやすくなります。

高性能なデータベースサーバーやシステムの多重化によるシステム構築を行っていれば、スリッページを含め、高品質な約定率を誇れますが、実際に各FX会社の取引システムのスペックを比較することは難しいです。

それでも「スリッページが発生しにくい!」と定評があるFX会社には外為どっとコムYJFX!などがあげられますし、DMM FXはハイスペックなシステムで約定力が高いです。

ただし、スリッページは0.01~0.10銭の価格差がまれに起こる現象です。為替レートの変動に比べれば小さな現象ですので、初心者はそこまでスリッページを考慮する必要はありません。

初心者から中級者になり、売買頻度が多いスキャルピングやデイトレードを行うようになったら再度、FX会社を検討してみましょう。

初心者も安心できるFX会社

DMM FX(DMM.com証券)
GMOクリック証券
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公開日公開日 2014.03.05
更新日更新日 2016.03.30

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中野貴利人
中野貴利人
執筆・編集
株式会社ネットピコ代表取締役。著書にど素人でも稼げるネット副業の本など。過去の取材はメディア掲載履歴で紹介。

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