FXの10大リスクを理解しよう!リスク回避できると失敗数も減る

中野貴利人
監修中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表取締役

FXの10大リスクを理解しよう!リスク回避できると失敗数も減る

  1. FXに潜む10個のリスクとは?
  2. リスクは回避や低減できる
  3. 為替変動リスクはロスカットで回避
  4. 金利変動リスクは通貨ペアで回避
  5. レバレッジリスクは低倍率で回避
  6. 電子取引リスクはシステムで回避
  7. 信用リスクは信用力の高さで回避

FXに潜む10個のリスクとは?

すべてのFX会社では口座開設時に「外国為替証拠金取引に関するリスク」や「店頭FXで外国為替を取引する際の注意」を説明しています。この理由はFXが主に10個のリスクが潜んでいる金融商品であるからです。

1

為替変動リスク

為替レートは24時間変動していますが、必ずしも私たちの予想通りに動くわけではありません。予測とは反対の方向に動いたときに、損をします。

多くの初心者もこの為替変動リスクは認識していますが、含み損がある外貨を損切りしたくても、買う人がいないと売れなかったり、預けている証拠金以上に損をするケースもあることはあまり知られていません。

ただし、新規注文をするときに「予想がはずれたら自動的に売却する」逆指値注文を同時に行って、いつでもロスカットできる状態にしておくと、為替変動リスクで大損する可能性は軽減できます。

2

金利変動リスク

日本のように金利が少ない国の通貨で、金利が大きい国の通貨を買うと「2国間の金利差」であるスワップ金利が発生して、スワップポイントが毎日現金で受け取れます。

しかし、金利は日々変動するために、受け取れるスワップポイントが予想よりも少なかったり、いつの間にか金利差が逆転して、逆にスワップポイントを支払う可能性もあります。

ただし、金利を変更するタイミングは年12回ありますが、実際には多くて年4回、1回あたり±0.25%程度です。そのため、豪ドルと日本円のように金利差が大きい通貨ペアを選べば、スワップ金利で損することはありません。

3

レバレッジリスク

レバレッジを使えば、少額の証拠金をFX会社に預けるだけで、証拠金の最大25倍までの金額を取引できるようになります。その結果、レバレッジに比例して利益も大きくなりやすいです。

しかし、その分ハイリスク・ハイリターンとなり、証拠金以上に損失を被る可能性もあります。初心者はレバレッジを2~3倍に抑えたり、レバレッジを使わないことが大切です。

4

ロスカットリスク

ロスカットとは新規で購入した外貨に含み損が出たとき、それ以上損失を拡大させないために「ポジションを決済して、損失を確定する」ことです。

例えば「1ドル=100円」で買ったあとに99円まで下がってしまいました。さらに97円や96円と含み損が膨らんでしまう前に、98円で決済する逆指値注文が仕込んでおけば、基本的には98円以上のマイナスにはなりません。

これは損失が確定するロスカットリスクですが、同時に損失を限定する効率的な仕組みでもあります。

しかし、ロスカットも完璧ではありません。相場の急変で売買が成立しなかったり、週またぎで為替レートが乖離すると、逆指値注文を受ける相手がいないためにロスカットできずに、想定を超える損失になったりします。

例えば、2015年1月にスイスフラン/円が115円から162円に急上昇したとき、116円や117円でロスカットを設定していても、まったく売買が成立せずに、131円近辺でようやくロスカットできる事象が発生しました。

仮に「1スイスフラン=115円」のときに5万通貨を売りから入っていた人は、116円でロスカットすれば5万円の損失で済みますが、131円までロスカットできないと75万円の損失となってしまいます。

5

強制決済リスク

証拠金維持率が100%を下回ったり、私たちがFX会社に預けている証拠金の額が、私たちが保持する外貨の実質価値の4%未満であるとき、私たちのポジションは強制決済となります。

仮に強制決済のあとに意図する方向に為替レートが推移しても、ポジションがないために無効です。

また、強制決済は成行注文で行いますが、相場の状況次第では取引がなかなか成立せずに、本来、強制決済を予定していたはずの為替レートよりも乖離することで、追加で証拠金を支払うリスクも発生します。

6

流動性リスク

流動性とは通貨の流通量が多いために売買がしやすいことを意味します。米ドル、ユーロ、日本円などは世界中で1日に数十兆円分が取引に使われているため、流動性が高いです。

一方、トルコリラや南アフリカランドなどは市場に出回っている通貨の流通量が少ないため、売りたくても売れないという状況が発生するなどして、想定以上に損失が膨らむ可能性があります。

7

スリッページリスク

スリッページとは注文した為替レートと約定した為替レートに差が発生することです。例えば「1ドル=120.000円」で注文したはずが、実際には「1ドル=120.003円」で約定していることがあります。

特に為替レートが急激に変動したときは、FX会社が画面上に表示する為替レートに対して、実際に売買されている為替レートが乖離することがあり、その場合は不利な為替レートで取引が成立してしまいます。

8

相対取引リスク

FX会社が私たちに提示する為替レートは、FX会社が複数の世界的な金融機関の為替レートを参照して、独自に生成している数値です。

そのため、一般的な市場の為替レートと価格差が生じることもあり、FX会社によっては正確な為替レートが配信されず、損失を被る可能性もあります。

9

電子取引リスク

電子機器の不具合で取引ができなくなるリスクです。例えば、ネット回線、通信機器、サーバーなどがダウンすることで、売買が一時的に停止します。2015年7月にも大手FX会社で8時間も取引ができない事故がありました。

また、FX会社によってはモバイル端末の通信エラー、スマホアプリの不具合、情報配信サービスの遅延なども起こりえます。

私たちのパソコンのスペックやプロバイダ環境によっても想定外の障害が発生して、適切な売買タイミングを逃すことにより、利益確定を逃したり、損失が拡大する可能性も想定しておきたいです。

10

信用リスク

私たちが米ドルを買うために100万円を支払っても、FX会社はその100万円を使って1万ドルの実物を仕入れる両替商のようなことはしていません。加えて、私たちの注文を仲介して、外国為替市場に流すこともしていません。

私たちが日本円を売って米ドルを買いたいとき、FX会社は同じFX会社内にいる米ドルを売って日本円を買いたい顧客とマッチングします。これで売買が成立して、FX会社は両者から手数料を受け取ります。

同じFX会社内にマッチングできる顧客がいないときは、FX会社はインターバンク市場とつながっているカバー先の金融機関から米ドルで日本円を買う反対売買をしています。

つまり、FX会社は顧客とは逆の通貨ペアで売買を行って、顧客とは損益分のみを受け渡ししている仕組みです。

そのため、顧客とFX会社、FX会社とカバー先の金融機関、カバー先の金融機関とインターバンクとの間において、適切な運営が行われていないと、私たちは公平な取引ができなくなってしまいます。

実際に2009年10月にカバー先の金融機関の1つであるコメルツ銀行で想定外のシステムトラブルがあり、複数のFX会社において南アフリカランドが急落してしまう現象が発生しました。

リスクは回避や低減できる

リスクは回避や低減できる

損失を被るリスクが10個もあるFXは、危険な金融商品に思えるかもしれません。ただ、株式投資でも同じようなリスクを10個提示できたりします。そのリスクを回避することができず、株で損をした経験がある人は多いです。

結局「投資にはリスクが付き物」や「投資は自己責任が原則」とよく言われる通りであり、初心者はそれらを認識した上でリスクの回避策や低減策を講じることを必ずしましょう。

例えば、為替が予想外の方向に変動する為替変動リスクであれば、ロスカットを設定することで損失を限定できますし、レバレッジを大きくしてしまうレバレッジリスクであれば、レバレッジを使わない選択肢も一般的です。

為替変動リスクはロスカットで回避

FXは貯金ではなく投資であるため、為替レートが上がり下がりで利益が変わります。この変化が儲ける要素でもありながら、常にリスクにさらされている状態です。

利益と損失は隣り合わせであり、利益を得たいなら損失するケースも学んで、その上でリスクに対する回避策も一緒に勉強していきます。

まずは外国為替相場における為替レートの動きはとても速いです。しかも、24時間休むことなく変動します。その中で自分の予想通りの動きをすることは、最初のうちは少ないはずです。

仮に予想と逆方向に為替レートが動いたときは、損失が必ず発生します。FX会社の広告や口座開設する際に「FXは元本が保証された金融商品ではござません」と明示されている理由はこのためです。

その一方で実は長期的に見れば、損切りのほとんどが無駄になります。為替レートは波打ってはいずれ戻る可能性が高いからです。

しかし、その戻りが5年以上先かもしれません。さらに2度と戻らない可能性も否めないわけです。そのため、小さく9回勝っても、大きな1回の負けで全ての利益を失わないようにしなければいけません。

大損をしないためのコツは新規注文と同時にロスカット注文も行うことです。新規注文時に「これ以上予想と逆の方向に動いたら強制決済する」設定を常時行うことで、大損のリスクは回避できます。

長期的には元に戻るかもしれませんが、それよりも負けは小さく重ねて勝ちを大きくすることが、FXだけではなく株などでも一般的な勝ち方です。

金利変動リスクは通貨ペアで回避

FXとは2国間の通貨を交換する金融商品であり、売買すると同時に金利の交換もしています。保有するポジションを決済しない限りは、通貨間の金利差であるスワップ金利により、スワップポイントの授受が発生します。

各通貨の金利は、政治、経済、社会などのあらゆるものから影響を受け、約1カ月おきに再決定します。そのため、今まではスワップポイントで得をしていても、ある日から急に利益が少なくなることもありえます。

事実、2008年9月のリーマンショックの影響で、各国の政策金利が数年で1~5%も下がったことがありました。ほとんど変化がなかった国は元々金利が1%未満でこれ以上下げられない日本くらいです。

今では少しずつ回復し続けて、経済自体はリーマンショック前の水準まで回復しましたが、依然として金利だけは各国とも低調です。

例えば、2008年1月時点で4%という高金利のカナダドルに積極的に投資していた人も、2015年1月時点では1%になったため、予想したスワップ金利よりも1/4に下がってしまいました。

高金利外貨の中ではオーストラリアドルなどは安定性があるため、損するほどのリスクは潜んでいませんが、逆に金利が5%以上の新興国の通貨などは、急落するリスクもあって不安定です。

また「南アフリカランドだけで100%を超えるスワップポイントを得た」という強者もいますが、初心者が真似できる方法ではありません。スワップ金利狙いであれば、高レバレッジで大量購入することは避けたいです。

レバレッジリスクは低倍率で回避

FXはすべての人に無条件に適している投資ではありません。その人の投資目的、知識と経験、投資スキル、資産状況、将来設計などで、利用するメリットが変わってきます。

レバレッジを「便利」と感じる度合いも、個人ステータスや投資額による影響が大きいです。例えば、余剰資金がないにも関わらず、手持ちの貯金すべてを投資するなどでは、為替レートが少しでも意に反した動きを見せれば、取引終了となってしまいます。

高いレバレッジは短期トレードに向いており、長期トレードでは原則使いませんし、短期間においても相場観に自信があって、3~10%くらい損をしてもロスカットされない資産状況で使うと安心です。

長期トレードのように数カ月後に何が起こるかわからない投資において、数十倍のレバレッジで膨らんだマネーを放置することは危険です。数時間などの短期トレードで利益を重ねるときに、レバレッジを使いましょう。

24時間では最大でも3円程度、1円でも「大きい」と感じるくらいしか為替レートは動きません。現在「1ドル=100円」だとしたら、99円50銭~100円50銭の間のトレンドを捕まえて、数秒から数分で決済することもありです。

また、予想に反したらすぐに損切りを行いましょう。高いレバレッジでは「いつか戻るだろう」は楽観的すぎます。ポジションを持ったあとに予想がはずれた時点で、次の予想もはずれる可能性があることは認識したいです。

電子取引リスクはシステムで回避

FXの売買でたまに経験することが、誤った数値で発注してしまう入力ミスです。希望通りの注文ができないどころか、望んでもいない注文が発生してしまうこともあります。このミスは目視で確認するしかありません。

今でこそ安全性は増しましたが、IDとパスワードを大切に管理して、セキュリティへの意識を高めましょう。口座番号、メールアドレス、ログイン名などの個人情報が第三者に知られると、悪用されて被害を受けてしまいます。

FXでは急なシステムダウンで取引ができなくなることもあります。大手のFX会社のサーバー稼働率は99.9%以上ですが、システムダウンではなくても、アクセス集中で取引の遅延と停止は何度か経験することがあります。

スマホアプリの不具合、モバイル端末の通信エラー、情報配信サービスの遅延も発生する可能性が高いリスクです。FX会社を選択するときはシステム稼働率やアクシデントの発生率などもチェックしたいです。

また、自宅のパソコンやネット回線に不具合が起きる確率のほうが高いかもしれません。そのときは逆指値注文やIFO注文などで常に損失を限定しておくことが有効です。

さらに成行注文で起こりがちなスリッページも無視できません。スリッページで紹介しましたが、為替レートは急激な増減を起こすこともあるため、希望レートよりすべることがあります。

例えば「1ドル=100.000円」で注文しても、価格が99.993円にずれることがあります。この原因はプログラムやシステムが原因によるタイムラグであり、スリッページを完全にゼロにすることは難しいです。

ただし、スリッページが99%以上発生しないFX会社や発生してもほんのわずかな価格差であるFX会社が多いため、自分が許容できるを範囲の各FX会社を選びましょう。

信用リスクは信用力の高さで回避

FX会社とカバー先の金融機関の間で取引する際の為替レートに対して、プログラムを改ざんする事件が過去にありました。これによって、FXトレーダーは常に不利な為替レートで売買を強いられ、FX会社に利益が入ります。

私たちが選んだFX会社が適切な運営方針で売買を行っていないと、私たちは公平な取引ができずに損をするわけです。

過去の金融庁の対策を振り返ると、クリーンなFX市場の構築とスマートなFX会社の運営を促すために、2005年に金融先物取引法を改正しました。これでFX会社の合併や淘汰が進み、FX業界全体への信頼性が高まっています。

しかし、余力のある悪徳業者は残り、投資家から集めた資金の管理がずさんなケースも散見されます。計画的に倒産しながら投資家に資金を返還しないFX会社も出てきました。

そのため、金融庁は2010年にお客様の資産とFX会社の資産を完全に別で管理して、お客様の資産を保護する「全額信託保全」を義務化しました。

これによって、FX会社はカバー先の金融機関に支払う資金も自前で用意することになり、資本力のある大手の証券会社のみがFXを取り扱うことになります。証拠金を信用銀行に全額信託保全で管理をさせた法律が決め手でした。

ただ、全額信託保全は日本国内の制度であり、海外のFX会社には適用されません。そのため、DMM FXGMOクリック証券といった国内でサービスを展開しているFX会社のほうが信用力が高いです。

初心者も安心できるFX会社

DMM FX(DMM.com証券)
GMOクリック証券
本サイトでは専門性と倫理観に裏付けられた情報を掲載するように努めておりますが、内容の一部に誤りがあるなどのご指摘はお問い合わせより随時承っております。
公開日公開日 2015.07.29
更新日更新日 2017.12.24

著作・制作など

AUTHOR AND PEOPLE
中野貴利人
中野貴利人
執筆・編集
株式会社ネットピコ代表取締役。著書にど素人でも稼げるネット副業の本など。過去の取材はメディア掲載履歴で紹介。

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