ユーロ(EUR) - ドイツが牽引する見通しが厳しい単一通貨

右肩上がりで成長し続けるヨーロッパ

表記EUR
国名欧州連合加盟国(全27カ国)
国旗ユーロ
首都拠点都市はブリュッセル、ストラスブール、ルクセンブルク
面積4,381,376km²(7位)
人口4億9,979万人(3位)
GNI-(-位)


ユーロ/円の年足チャート

1993年に誕生したEU(欧州連合)は、2002年に欧州単一通貨であるユーロ紙幣と硬貨を導入し、2007年には加盟国が27カ国に増えました。2015年1月時点では28カ国が加盟していて、一大経済圏を成しています。

ユーロ紙幣を導入するにはインフレ率、長期金利、財政収支、政府累積債務などの項目にわたって、欧州連合、欧州中央銀行、ヨーロッパ中央銀行が定める基準をクリアしなければいけません。

このような条件をあえて設置することで、加盟国の経済成長への期待が高まります。各国が協力し合っているユーロは、世界で最も信用されているドルの次に、安心して取引できる通貨でもあります。

ユーロ圏のGDPの約1/3を占めるドイツ

ユーロ圏のGDPの約1/3を占めるドイツ

ユーロはドイツの影響を受けやすい

ユーロはEUの共通通貨とされていますが、EU参加国の27カ国全てが使っているのではなく、代表的な使用国はドイツ、フランス、イタリアなど17カ国に留まります。

参加国でもイギリスやポーランドなどはユーロではなく、現在まで独自の通貨を使用しています。これは多くの国が1つの通貨に絡むと、何かアクシデントが発生したときに、素早く政策に取り組めない弱点を危惧しているからです。

そのような点もあり、ユーロを売買するときは「17カ国全ての経済事情を監視することになる」と思いがちです。もちろん、それに越したことはないでしょうが、現実的には難しいです。

ユーロを使用している国々では経済格差が激しく、優秀な国はドイツが抜き出ています。そのため、ドイツがリーダー格となっているので、ドイツの指標を追えば事足りるケースもあります。

そのときはシンクタンク「IFO経済研究所」によるドイツ企業の景気をリサーチした「IFO景況感指数」のチェックがおすすめです。

ユーロの通貨政策をドイツのフランクフルトにあるECB(欧州中央銀行)が行っていることも、ドイツがユーロを牽引していることの証明です。

財政が厳しい国によって変動するようになった

その一方でポルトガル、イタリア、スペインの債務残高や国債利回りによって、ユーロは乱高下することが多いです。

さらにギリシャやキプロスなどの小さな経済規模の国の財政危機でも、ユーロだけではなく、米ドルから日本円までを動かす事態が、リーマンショック以降で数年に1~2回は発生しています。

日本の地方都市レベルのGDPしかない国々の国債を、ユーロに加盟している国同士で持ち合っているため、どこかで財政危機が発生するとユーロ全体を揺るがしかねず、ユーロから世界へと景況感が波及していくわけです。

基本はドイツやフランスなどのGDPが高い国々の経済指標を予測することが大切ですが、実際には財政が厳しい国のデフォルト危機が、ユーロを動かしていることが多いです。

米ドルが売られるときが投資チャンス

ユーロを含む通貨ペアは大きく動きやすいです。例えば、ユーロ/米ドルなどは世界一の取引高を誇るために、世界中の経済指標に敏感に反応します。

たまにトレンドから大きく外れる値動きをしたあとでも、また元に戻るほどトレンドが固いことさえありますし、1つの経済指標でトレンドが変わることもあります。

売買シグナルを見極める確実な方法はありませんが、初心者には市場の反応に慣れるための練習になるでしょう。

もし予測から大きく外れるほどのトレンドが起きたときにも、大きな被害を受けないようにしたいです。FXとはロスカットを想定することで、どの通貨ペアでも損失を限定できる投資商品ですので、売買をするときは必ず同時に逆指値の注文もします。

また、ユーロ/米ドルだけではなく、ユーロ/円でもと似たようなことが言えます。ユーロ/円はユーロ/米ドルと米ドル/円を合成して求めることもできるので、ユーロ/米ドルが動けば、必ず相関した動きをします。

米ドル、ユーロ、日本円という3通貨の強弱が絡まって、各通貨ペアが反応するわけです。この3通貨は市場規模が大きく、他の通貨にも影響するので、常にウォッチしても構いません。

ちなみにユーロは取引量が圧倒的に多いので、デイトレードやスキャルピングにも適していますが、ヨーロッパ全体が発展していくと考えて、長期で投資するのもありです。

特にヨーロッパが戦争を引き起こす確率は少ないので、有事の際は米ドルが売られ、ユーロが買われやすい傾向もあります。

ただし、ユーロの金利はそれほど高くはないので、スワップポイントで儲けるには向きませんし、最近では突然、ユーロ圏の小さな国が財政危機を発表することもあります。

地理的にヨーロッパの情報が伝わりにくい日本人にとって、ユーロは「積極的に投資できる通貨」とは断言できません。

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公開日公開日 2010.01.19
更新日更新日 2016.03.24
執筆者Kirito Nakano

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