FXで最も売買されている米ドルですが、その注目すべき特徴を教えてください。
米国は2度の世界大戦で経済大国になり、それ以降は世界の基軸通貨として主導権を握ってきました。例えば、私たちが南アフリカランドを買うときも、「円、ドル、南アフリカランド」とドルを経由して交換しています。基軸通貨ゆえに取引高はダントツで、FX初心者の中でも人気がある通貨だったりします。
では、その米ドルはどんな要因で動くのでしょうか?アメリカの要人はドル高やドル安を意図的に発生させているとも聞きました。
そうですね。アメリカはドル高やドル安をある程度コントロールでき、過去に何度も調整してきました。為替政策では1944年のブレトンウッズ会議、1971年のニクソンショック、1985年のプラザ合意は有名ですが、2009年に「ドル安が望ましい」と発言すれば、2010年にはドル安になりました。人が介すことで通貨の価格が変動しますので、必ず事前に方向性を示唆する発言があります。そのため、米ドルの最大の変動要因は要人の発言です。
なるほど。主要な通貨であるがゆえに、他の通貨よりも特異な変動要因に見えます。要人の発言意外にはありますでしょうか?
FXとは要人の発言内容に肉付けするような流れで、経済指標が関連していきます。中でも非農業部門雇用者数、貿易収支、GDP、ISM製造業景況指数などは特に注目度が高いです。また、金利の利上げはドル高、利下げはドル安になりやすく、米国の中央銀行であるFRBは、米国経済と物価動向を安定させるために、政策金利を調整しています。
ヨーロッパで導入されているユーロの価値は高いのでしょうか?第二の基軸通貨と呼ばれながらも、ユーロ圏の情勢は不安定に思えます。
1992年に導入されたユーロですが、現在も米ドルに次ぐ取引規模を誇っています。よくドルとユーロは逆の動きをすると言いますが、これは米ドルの価値が下がったときに避難先にユーロを選んでいるということです。ユーロは米ドルの代わりにまでなってきたと言えるでしょう。
これからもユーロが拡大していくのでしょうか?ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインなど、財政危機に瀕する国が目立ちます。
米ドルは世界各国の貿易で使用されていますが、ユーロは貿易ではまだまだです。EUの加盟国は27ヶ国であるのに対し、ユーロ導入は13ヶ国に留まっています。残りの各国も導入すれば、さらにユーロは拡大し、価値も上がりますが、リーマンショック後の経済状況を考えたら、進捗は今一歩といったところです。
ユーロ相場の変動要因には何がありますでしょうか?米国と同じだとしても、ユーロには複数の国が集まっているので、各国の経済指標などをウォッチしないといけないように思えます。
ユーロも米ドルと同様に、EU代表や各国の主席などの要人の発言で多く値動きします。ただ、経済指標はユーロ圏の中でもGDPが高い、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの動向に注目です。特にドイツはユーロの50%以上を引っ張っています。逆にポルトガルなどは財政危機で不安視されています。ユーロ全体では常時8.0%を超える高い失業率、GDP、鉱工業生産指数、生産者物価指数、消費者物価指数といった経済指標の影響力が強いでしょう。
米ドルとユーロが市場で多く取引されている通貨であることがわかりました。それ以外のFXで売買されるメジャー通貨についてはいかがでしょうか?
FXでも人気が高いのが、豪ドルとNZドルでしょう。この2つは高金利通貨の代名詞でもあり、非常に似た値動きをします。スワップで儲けるためには高金利が長く続いていて、GDPも右肩上がりで、政局が安定している国の通貨を選ぶことが大切です。さらにオーストラリアは天然資源大国であり、なかなか価値がぶれることはありません。1990~2010年の統計では、オーストラリアなどの資源国のみ通貨高になっていて、これからもその傾向は続くとされています。
オーストラリアは国民の年収も上がり続けており、魅力的な国です。FXとはポンド、カナダドル、スイスフラン、南アフリカランドも人気の通貨ペアですが、いかがでしょうか?
ポンドは情勢は安定しているのにも関わらず、価格の変動が激しいためにFXでは人気の高い通貨の1つになっています。これはインフレ懸念から金利を徐々に引き上げて、スワップポイントを確保できることも後押ししているでしょう。カナダドルは価格が安定した石油と貴金属の輸出国であるために、経済は優等生で大幅な下落の心配がありません。スイスフランは永世中立国で、EUにもユーロにも加盟していない国柄の通貨です。有事のときには投機チャンスで価格が上昇しますが、一時的な伸びに留まります。南アフリカランドは農業、鉱業、工業とも成長し続け、GDPの上昇に伴って、政策金利も上がり続けてきました。
トルコリラ、アイスランドクローネ、メキシコヌエボペソ、ハンガリーフォリントのような高金利のマイナー通貨はFXに有効でしょうか?
なかなか難しいところです。金利は10%を超えるのが当たり前で、スワップ派には持って来いの状態です。しかし、政局が不安定なために、いくら金利が高くても、通貨そのものの価格が大幅に下落するリスクも背負っています。高金利の通貨ではメキシコヌエボペソもありますが、こちらも政局が安定していません。ハンガリーフォリントは財政赤字と経済赤字でアメリカより不安材料を抱えています。他にもノルウェークローネ、チェココルナ、タイバーツなど日本より高い金利の通貨がありますが、取引量が少ないためにいざというときに売買できない危険性もあります。
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